【こんな症例も治りますシリーズ 705】『 犬の中年層のベタベタした皮膚炎 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上の写真は、シーズー犬の皮膚炎像です。

■ カラダの体表に皮膚炎が複数あります。

■ このような時は、甲状腺機能低下症やマラッセチア症が起こりやすく、注意深い定期検査が必要になります。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/JPetb

 

犬 6歳 シーズー メス(避妊手術済み)

 

 

【 以前よりベタベタした皮膚が気になっている 】、ということで来院されました。

 

 

 

 

◆◆ 診察してみると、全身的に被毛が薄く脂っぽく、皮膚は広範囲に腫れと熱感が生じていました。

 

 

■ 皮膚には表皮小環という特徴的な皮膚病変も確認できました。

 

 

★ 『表皮小環』は皮膚で膿疱が潰れて円形に広がることででき、ドーナツ状にフケやカサブタが付着した病変です。

 

 

■ 皮膚の表面の状態を顕微鏡で診る『テープ検査』を行うと、細菌を貪食している白血球(好中球)が確認され、細菌感染が起こっていることが確認できました。

 

 

■ また、赤血球も確認され、出血も伴っていると分かりました。

 

 

 

◆◆ 今回のワンちゃんは膿皮症、脂漏症と仮診断しました。

 

 

■ 被毛の細菌培養検査も行い、有効な抗生物質の確認も行いました。

 

 

■ 抗生物質の内服、外用の消毒液の使用、食事の変更を行いました。

 

 

◆ また、当院のトリミング室で行って、マイクロバブル治療と症状に合わせた薬用シャンプーによる皮膚の洗浄に通って頂きました。

 

 

★ マイクロバブルは、シャンプーでは取り切れない毛穴の奥の汚れまでしっかり落とすことができます。

 

 

■ 何度か診察とシャンプーに通って頂いたところ、劇的に改善が見られ今では痒みもなく、フサフサに毛が生えてくれています。

 

 

■ トリミングでかわいくカットしてもらい、飼い主様もとても喜んでいただきました!

 

 

 

 

◆◆ 通常、皮膚の脂漏症の時は、中年の場合、『甲状腺機能低下症』や『カビのマラッセチアが皮膚で炎症を起こしている』事が多いです。

 

 

◆ 今回の症例は、皮膚の培養検査でもカビのマラッセチア症は否定されました。 今後、この子が7歳以上のシニア期になった場合、甲状腺ホルモン検査も含めて注意深く定期診察が必要になると思います。

 

 

 

■ まだまだ暑さが続きます。 暑い時期は皮膚トラブルも多くなります。

 

 

◆ 少しでも気になったら是非ご相談ください。

 

 

 

 

獣医師 木島里衣

 

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